ジブリの大ヒット作「崖の上のポニョ」が当面放送禁止! その裏事情とは?

スタジオジブリの最新映画『コクリコ坂から』の公開を来週末に控え、同作に出資する日本テレビでは現在『金曜ロードショー』にてジブリ作品を三週に渡って放映している。

放送スケジュールは今月1日に『もののけ姫』、8日に『魔女の宅急便』、15日に『海がきこえる』『ゲド戦記』。
ラインナップの中にはどういうわけか、昨年2月の地上波放送で29.8%の超高視聴率を記録した『崖の上のポニョ』が無い。

実は同作は現在、"ある事情"により地上波での放送が無期限NGになっているという。
『東京スポーツ』が報じている。

その"ある事情"とは…

「東日本大震災を連想させるような津波を描いたシーンがあるためです。その津波のシーンがリアル過ぎるんです。
津波のシーンで真っ黒になった海が堤防を乗り越える描写があるんですが3年前の公開時には『なんでこんなに海が黒いの?』と一部で疑間の声も出ていたんです。
それが今回の震災の映像で、大津波の際には海が本当に黒くなることが分かった。あまりにリアル過ぎて放送できなくなったんです。
今後テレビでやるのは難しく、しばらくお蔵入りになるでしょう」(日テレ関係者:東京スポーツ)

3月の東日本大震災が北海道・東北・関東を中心に甚大な被害をもたらしたことは言うまでも無い。
とりわけ沿岸部で発生した大津波は街を一瞬にして飲み込み、たくさんの尊い命を奪うという恐ろしいものであった。

震災の記憶は今でも鮮明に被災者の心に残り続けている。
そんな中、主に被災者への配慮として劇場でも震災を連想させる作品が上映延期・中止になるケースも多い。

たとえば外国作品では、主人公が津波に飲み込まれるシーンがあるという『ヒアアフター』、水中の洞窟に閉じ込められた探検家たちの脱出劇『サンクタム』などがそれにあたる。
一方国内作品である『HOT SNOW』は「雷が鳴り、地震が起き、雪が降り出し、世界がぐにゃりと歪んでしまって主人公たちがタイムスリップする」という内容だが、こちらは今週末9日から公開。

未だ強い余震が全国各地で続く中、日本テレビが『ポニョ』を自主規制したのも賢明な判断と言えるのかもしれない。(高橋)


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